癒しの空間を

こだわり⑦ 癒しの空間を|歯科医院の設計

クリニックのリニューアルで、予防型歯科医院経営を志向する
「予防歯科」とデザインとの関わりは?

ここ数年、北欧ブームが続いている。優しい表情をもつ文化や製造への共感があるのだろう。日本にもかつては北欧と同じような空間の設えや工夫(茶室や雪見障子など)があった。そうした日本人の遺伝子が、北欧のインテリアやファブリックなどの、シンプルで洗練された美しさ、兼ね備えた「こだわり」や「工夫」といった機能に惹かれるのだ。スウェーデンの家具メーカー・IKEAやフィンランドを舞台にした日本映画「かもめ食堂」が、女性たちのあいだで人気を博しているのも理解できる。わかりやすく優しいデザインは、ブームに留まらずに、これからも長く支持されるだろう。

 

では、こうした傾向がクリニックの空間デザインにも当てはまるのか?答えは2割がNo、8割はYes。これは、虫歯や歯周病の治療よりも、疾病予防や審美治療の割合が逆転するという、今後の歯科の変化を予測するときに直感できる割合だ。現に、予防歯科先進国のスウェーデンでは、定期険診受診率が成人の80%超、子どもは100%近くに及ぶという。10%未満の日本ですら、ここ10数年で子どものう蝕罹患率は半減しているそうだ。

 

遠からず「治療」と「予防」の比率が逆転するという前提で、空間デザインの話に戻ろう。前途のように予防や審美が主な診療科目になれば、クリニックの利用者は健康な人たちが多くなる。プチ整形という前例もあるように、彼女たち(彼たち)はまるでブティックやエステサロンに行くような気軽さでクリニックを訪れる。歯科空間のデザインも、多くの健康な人に指示されるべきだと私は考える。

 

今年、弊社が曽根崎新地(大阪)で手がけたデザインに、ビル内に移転後、開院したクリニックの例がある。現地調査の際に、隣接施設が美容整形外科であることがわかった。経営戦略的に考えれば審美治療の顧客と重複する患者の獲得が見込め、自由診療の対象としても見逃すことはできない。
つまり、前項にあるように治療以外の利用者を取り込む空間デザインの好例となったのである。デザインは「わかりやすく優しい表情の空間」を心がけ、オフホワイトを基調としたカラーリングに、アクセントとして北欧イメージの青など数色を使用した。インテリアは、スカンジナビアから輸入した木製のシンプルな家具や小物。キャビネットの中に飾った本や置物、そしてレセプションと診療スペースを区切るガラスに掛けたファブリックも同様のテイストでそろえた。
いずれも本物がもつ質感が優しい表情を醸し出し、節度あるモダンさがクリニックに清潔感や安心感を生み出した。

これまで2回にわたってご紹介したように、空間デザインは、ポリシーや立地などを含めて総合的に空間価値を高める必要がある。先に述べたクリニックは、予測通り新規顧客や女性利用者からも好評だそうだ。健康な人が利用者の核となるという考えは、これからのクリニック経営に重要な意味をもつ。
ぜひ歯科医師の皆さんにも、一歩先を読んだ空間づくりに活かしてもらいたいと願っている。

 

原 兆英  profile
東京に生まれる。ジョイントセンター㈱代表取締役
日本インテリアデザイン賞・商空間デザイン賞優秀賞・ディスプレイ産業大賞優秀賞・商環境デザイン賞優秀賞、2002年、2005年グッドデザイン賞、その他多数受賞。

 

 

 

 

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